ぺんぎんの生態

愛なんていくらでもばらまいてやる

ラーメンを介して恋愛の話をする —1杯目 京都(店名不明)—

 

やっぱりデートといえばラーメンじゃないですか


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この、「一杯でストーリーが完結してる感」が、言うならばショートショートフィルムフェスティバル的な感じでロマンチックと思うんですよ。は?

 

  もちろんハリーポッターみたいな長編コース料理も好きですが、ラーメンは、だって、そもそも美味しいじゃないですか。

 

そんなわけで私のラーメンにまつわる恋愛の記憶をいくつか。

 

 

                                                        🍜

 

 

     —1杯目  京都  (店名不明)— 

 

 

   お店の名前がどうしても思い出せない。

   京都駅からバスで30分ほど行ったところに、 

    ラーメン激戦区がある。

 (というか京都はラーメン激戦なのである)

 

   歩いても歩いてもラーメン屋、その激戦区の中にあるお店だった。

 

   思い出せるのは、

 

  それくらいで検索しても分からない。

 

 

   4年前のことです。

 

   

 

 

                                                    🍜

 

 

  当時、京都に住んでる男の子と微妙な感じだったんですが、

わたしが仕事で山口に引越しして、遠距離になったところでした。 

 

付き合ってる訳でも無いけど、お互いにたぶん1番好き同士だったと思う。

 

 遠距離でも平気っていう自信があった。

 

 ほんとに好きだったら距離とか関係なくない?と思ってた。

 

  だってソーとジェーンも惑星超えて付き合うじゃん?て思ってたけど

 

  まあバトルロイヤルで別れたし?

 

   わたしナタリー・ポートマンじゃないし?

 

   遠くのひとより近くで体温感じられるひとを大事にするべきじゃない?というのが結論。

 

   せいぜい数ヶ月とか、いつまでっていう期限があるならまだしも、

 

    いつまでか分からない遠距離はきつい。

 


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                                                   🍜

     

  

     4年前の京都。

      春の日で暖かかった。

 

   そのひとは8歳年上で、メタラーで、髭もじゃもじゃで、見た目が完全に熊だったから、通称、熊五郎

 

     バス停で待ち合わせして鴨川で昼寝して、熊五郎の家にいくの定番のコース。

 

  いちばん好きなデートは昼寝なんだけど、  気を遣ってしまって落ち着かないからっていう理由で腕まくらとかされるのは苦手だった。

 

  甘えるのが苦手、ギブアンドテイクにならないからって思ってた。

   ギブアンドテイクが崩れたら人間関係終わりって思っていたし、セックス以外に自分が相手のためにできることなんて何にもないから、甘えたりしたら一気に関係が崩れるような気がしてた。

 

   そうやって追い込めば追い込むほどセックスだって濡れなくなって痛くなるんだけどどうしようもない。

 

                                                       🍜

 

 

   鴨川からしばらく歩いて、熊五郎がお母さんと二人暮らししているアパートの畳の上で、なんというか、"なあなあ"なセックスした。
  家に着いたからとりあえずするか、みたいな。
  とりあえずビール、てきな。

   西日が床にもろに射してまぶしかった。

 

   遠距離で久しぶりに会えたとしてもセックスはどんどん"なあなあ"になるんだなあと思った。

  

   このまま関係がユルくなっていって、いつの間にか初期衝動が失われてしまって、いわゆる「家族みたいな」関係になるんだろうか、って考えていたら寂しくなった。そんなのは望んでない。

 

  さみしい。セックスしていて余計にさみしくなって泣いたりする鬱陶しい女になりたくないなって思うけど、泣いちゃうんだなーだめだな

   わたしのこと好き?って聞いたら無視された。
   こんな関係が2年も続いているのに、好きって言ってくれたこと1回もない。

 

 

    どうして好きって言ってくれない人ばっかり
好きになってしまうんだろうと思った。


                              🍜


  暗くなる前に外に出る。
  好きって言ってくれない分、ラーメンごちそうになっちゃおうって謎理論を思いついて手ぶらで外にでた。

   

ラーメン1杯で全部ゆるしちゃおうって思った。

そうやって自分自身納得させないと。

 

いつも割り勘だから珍しいねって、
「財布置いてきて正解、ギブアンドテイクばっかりしんどいやろ」
って熊五郎がゆって、もうずっとしんどいよって思った。

 

  家から少し歩いたら、例のラーメン激戦区がある。

     ラーメンはめっちゃ美味しかった。


    どんなに自分がメンブレでもラーメンが美味しいって事実だけはブレないからやっぱラーメンは最高。
   メンヘラな時は豚骨がいい。
   分かりやすいから安心しちゃうよね。 

             

                                                         🍜


    そのあと山口に帰ってから何日も泣いて頭が痛くなった。
好きって言ってくれない、
好きって言ってくれない、
好きって言ってくれない、
好きって言ってくれない、
好きって言ってくれない、
好きって言ってくれない、
好きって言ってくれない、

   言葉がすべてじゃないけど、言葉がないと
何を信じていいのかわかんなくなるし、
なんで言ってくれないのかわかんなかった。


              🍜


   それからも関係は続いていたけど、
どんどん気持ちがブレブレになった。

 

  言葉で伝えてくれないなら別の方法で試したくなって、ちゃんと付き合いたいって言ってみたり、
中出しゴムなしピルなしとかやってみたりした

   付き合いたいとか結婚願望もまるでないけど、
子どもができてしまったら結婚しよって言ってくれるのかなって思った。
   その言葉だけ聞けたらすぐに子どもおろそう、わたしのこと好きっていう証明だけがほしい。何か信じられる証拠みたいなものが欲しい。

まじで人として最低なんだけど、
ずっとグルグルそんなことばっかり考えていた。

 

でもそれも全部うまくいかなかった。当たり前か。
余計にどんどんこじれていく。

   好きって言ってくれたらこんなことしないですむのになって思った。

   でも、わたしだってこんなに気持ちがぐちゃぐちゃになって、もう好きかどうかわかんない、執着しているだけかもと思った。

 

   何回か京都で会って、会うたびにラーメン食べに行った。

 

  ばいばいってキスした時に、いつもラーメンの味がする。

 

    あるときその味をふと「きもいな」と思ったときに、もう終わりなんやなって分かった。

 

   熊五郎が山口に会いに来てくれたことは1回もなかった。


             🍜


   相手は「言葉じゃない」「愛情表現は人それぞれ」っていうけど、プライドを守るのが最優先で、自分のことばっかり大事にするからそうやって言葉すらケチるんじゃん。 

   今だったらそう言えるけど、当時は「なんで?」しか出てこなかった。

 

  好きな人に好きって言わないのなんで?
  なんで?ってずっと思ってた。

 

  恋愛はお互いにプライドを壊す作業で、ギブアンドテイクじゃないって思えるようになったのは
それからしばらく先。

 

  「遠くにいて好きって言ってくれないひとより、
近くにいて好きって言ってくれるひとを大事にしたほうがいいと思うよ」

ってめっちゃストレートな真実をスッて投げてくれたのは例のメル友(過去記事に登場)だった。

 

https://mizuhopem.hatenablog.com/entry/2020/01/13/150000

 

 それで、近くにいて好きって言ってくれていた人と付き合うことにした。

              🍜


 でも、自分から好きになった人じゃないと、やっぱり続かないよなと思う。

「自分から好きになったけど、自分のこと好きって言ってくれない 人」
か、「自分のこと好きって言ってくれるけど、自分から好きになっ た
わけじゃない人」???は???


  なんでその二択なん?もっとシンプルにいたい。

 

  でもな、なんかわたし、当時からあんまり成長してないかもです。


さみしくなくなりたい。

 

さみしいから誰かと一緒にいたいっていうのは間違いで、一人でもさみしくない状態がデフォルトじゃないと、人間関係がゆがむんだと思う。


たぶんそういうことなんだよね。

でも、いつだってさみしくないですか?    

 


                                   🍜🍜おしまい🍜🍜

 

一人でいても感じる孤独より
二人でいても感じる孤独のほうが辛い事

 

に共感するひと全員ともだち。  

SURREAL

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